平成19年(2007年)能登半島地震(Mj=6.9)


平成19年(2007年)能登半島地震の被害調査報告(速報) update 2007年3月27日 
・日程:2007年3月25〜26日
・メンバー:高橋良和(京都大学防災研究所),豊岡亮洋(京都大学工学研究科),後藤浩之(京都大学防災研究所)

 速報として写真と簡単な説明のみを掲載します.追って,詳細な内容を報告予定です.

・七尾市

 JR七尾駅付近のミナクル周囲において,若干の建物-舗装面間に隙間.歩道の砂は液状化によるものかは判別できなかった.

 K-net七尾観測点.市役所内車庫前に位置する.気象庁より震度5強と発表されている.

 七尾市役所田鶴浜支所,気象庁より震度6強と発表されている観測点がある.灯籠の上部回転(時計回り)と落下がその周辺で観察された.

 ツインブリッジ(中能登農道橋).通行止め.10cmほどの橋軸方向の変位と2カ所で照明の落下が観察された.

・穴水町

 R249根木付近.石積み灯籠の回転(時計回り)と落下が観察された.

 K-net穴水観測点.児童公園内に位置している.東側に30mほど離れて水路がある.付近の住宅で窓ガラスの割れを1件確認した.

 付近のお寺.倒れて散在している像と起立している像が観察された.墓石の共通した回転(時計回り)を確認.

 JR穴水駅の北東すぐの位置で,全壊した木造家屋が集中して観察された.

 R249中居付近,白潟橋.若干の橋軸方向の変位が観察されるが,地震時のものか判別できない.

・輪島市

 気象庁輪島測候所付近.測候所内の地震計で震度6強が観測された.付近の木造家屋,木造倉庫において全壊家屋が点在して確認された.また,隣接する官舎駐車場の壁に傾きが見られた.

 K-net輪島観測点.一本松総合運動公園への登り口入口に位置する.100mほど離れたお寺の鐘楼堂が道路側へ崩壊,落下.本堂入口を囲むガラス割れ.墓石の回転(列により回転方向が異なる)と落下が確認された.

 輪島港.若干の海側へのはらみだしと背後の窪み,道路の割れが見られる.また,若干離れた輪島検潮所付近は目立った被害はなく,LPタンクも無被害.

・輪島市(門前)

 輪島市門前総合支所.気象庁により震度6強が発表された地震計が位置する.

 門前支所向かいの寺院で灯籠が多数落下,及び移動.手水舎の崩壊が確認された.

 門前支所南側の通りに沿って木造全壊家屋が並ぶ.この通りに面する高校は外部から確認した限り目立った損傷はない.

 門前支所東側の通りに沿って,こちらも木造全壊家屋が確認された.

・志賀町

 R249大福寺北側における2カ所の盛土の崩壊.この地点におけるR249では,県道49号が迂回路として指定されている.

 志賀町役場の地震計.震度6弱が発表されている.周囲に目立った被害は見られない.

(謝辞)防災科学技術研究所K-NET観測網,KiK-net観測網の波形データは被害調査における有用な情報となりました.また,家村浩和教授(京都大学工学研究科),澤田純男教授(京都大学防災研究所),岩田知孝教授(京都大学防災研究所),福島康宏様(日本技術開発(株))には本調査の遂行にあたり多くの情報を頂きましたので記して感謝致します.

 
  京都大学防災研究所  耐震基礎研究分野
  京都大学工学研究科 都市社会工学専攻 構造ダイナミクス研究室