2.行程 | |||
7/16の14:30に京都大学宇治キャンパスを出発し,上越市に22:30頃到着.翌朝4:00頃に上越市を出発,6:30頃に柏崎市内に到着して柏崎市民会館のK-NET柏崎観測点周辺の被害調査,及び駅前商店街付近の被害調査を実施.9:30頃に刈羽村役場の震度計に到着し,周辺の被害調査を実施.11:00頃に柏崎市西山町の震度計に到着し,周辺の被害調査を実施.その後,柏崎を出発して15:30頃に長野県飯綱町三水庁舎の震度計に到着して被害調査を実施.23:30頃に京都大学へ到着しました. | |||
7/17現在,国道8号の一部が通行止め,また通行可能箇所においても柏崎市街地に向かった交通渋滞が発生していたため,国道253号を利用して上越市から柏崎市内に入りました.7/17現在では,国道253号〜県道12号〜県道78号〜国道353号〜県道25号〜国道252号のルートが使用可能です. | |||
3.柏崎市(市街地付近) | |||
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国道252号安田付近の橋梁で,取付け部の盛土沈下による15cm程の段差が補修されていた. | |||
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国道252号安田付近で,家屋の倒壊と道路の液状化による一部陥没が確認された. | |||
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震度6強を観測した柏崎市民会館の自治体震度計と同敷地内にあるK-NET柏崎の観測点.隣接する納屋の扉が外れたこと,隣家の石燈篭の崩壊を確認した.また,納屋の裏に位置するブロック塀の崩壊,及び正面道路に見られる地盤の相対変位などの被害も確認される. | |||
波形に見られるように北南(NS)成分で最大速度100cm/sを超える地震動が観測された.波形のピークが平坦になっていること、時間軸で17秒あたりから水平成分の揺れが急激に小さくなっていることから,地盤の非線形挙動および液状化の可能性が予想されたが,現地にて液状化痕等は明瞭には確認されなかった.さらなる検証が必要である. | |||
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西本町の寺院で鐘楼の跳躍が確認された.この現象は,先の能登半島地震でも確認されている.能登半島地震では観測波形の方位性と調和的に跳躍しているが,本鐘楼は方位性(南北方向)と直交した東西方向に跳躍している点が特徴である.また,この町内を含めて墓石の転倒率が最大速度より予想される傾向よりも少ない箇所が多いことも特徴である. | |||
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市街地商店街のフォンジェ付近で歩道に段差が発生していた.また,2店舗を繋ぐ歩道の取付け部で座屈と見られる変形が確認された.両者の存在から不当沈下が発生したものと予想されるが,その原因については不明である. | |||
4.刈羽村 | |||
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柏崎市市街地から刈羽村に向かう国道8号〜国道116号の道沿いに,電柱の傾き,液状化の痕跡,数多くの段差が確認された. | |||
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震度6強を観測した刈羽村の地震計の設置してある刈羽村役場.地震計設置箇所の直上3階と1階で窓ガラスが割れたために,地震計付近にガラスが散乱していた.外部の窓ガラスの割れた箇所はこの2箇所のみであるが,3階のガラスの破損した箇所は資料室であるために重量のある書棚や資料が地震によりガラスを破損させたと考えられる.建物を取り巻く土埋め部分は地震により外側にはらみだしたため,沈下してひび割れが発達している. | |||
5.柏崎市(西山町) | |||
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震度6強を観測した地震計を設置している柏崎市西山町の事務所.建物前面で液状化が発生した痕跡が確認された.また,隣接するいきいき館の裏手の土留め壁で,前面に壁が押し出されたことによる表層の変形が確認された. | |||
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柏崎市西山町二田地区の国道116号沿いで,広範囲に渡る亀裂と沈下が確認された.最大の亀裂で,およそ深さ1m,幅50cmであり,断続的に300mほど亀裂が続いている.歩道側のレールの外側では数m程下に田が広がっており,本箇所が盛土部であれば変形しやすい性状であったと考えられる. | |||
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柏崎市西山町藤掛地区の国道116号沿い藤掛川橋で,取り付け部の沈下が発生していた.この箇所は段差が40cm程発生していたものと予想される. | |||
6.飯綱町 | |||
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長野県で震度6強を観測した飯綱町の地震計を設置している三水庁舎.付近に目立った構造物被害は確認されないものの,建物内の書類などが地震により散乱したとのことである.写真の通り,地震計設置箇所に盛土・切土などは確認されなかった. | |||
7.おわりに | |||
本報告では,防災科学技術研究所のK-netの観測記録を使用させていただきました.当データは地震直後より公開されていたため,被害調査を行う上での基礎情報として非常に有用でした.澤田純男教授(京都大学防災研究所),岩田知孝教授(京都大学防災研究所)には本調査の遂行にあたり多くの情報,配慮を頂きましたので記して感謝致します.また,現地にてお忙しい中情報を提供いただきました方々に感謝を申し上げると同時に,被災地の1日でも早い復興をお祈り申し上げます. | |||
(文責:後藤) |
京都大学防災研究所 耐震基礎研究分野 | |