地震計(じしんけい)は地震のゆれがどのようなものかを測るための機械です.気温を測るための温度計,長さを測るための定規のように,地震のゆれを測るためには地震計が必要です.地震が起きると「震度」というゆれの大きさがどのくらいだったかを表す数値が発表されますが,震度も地震計で測ったゆれの大きさから計算したものなのです.
きちんとした地震計はとても高価ですが,ゆれを見るぐらいであれば私たちの身の回りで手に入る材料で簡単に作ることができます.ぜひチャレンジしてみて下さい.
※途中ではんだ付けをします.小学生以下のお子さんは大人の人と一緒に作りましょう.
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用意する材料
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地震計2つ分の材料です.地震計を2つ作ると2箇所の揺れを同時に見ることができますが,1つだけ作る場合には半分の材料で構いません.銅線と磁石以外は100円ショップでも揃える事ができます.
- ステレオミニピン - ピンプラグ(オス)ケーブル 1本 地震計をパソコンに繋ぐために使います.
- ステレオミニピン - ピンプラグ(メス)ケーブル 1本 メスコネクタの部分を切り取って使います.100円ショップで見つかればコネクタ単体2つより安いですが,見つからない場合には通信販売などでメスコネクタを2つ購入してください.
- 30cmものさし 2本 硬い素材がよいので竹のものがよいでしょう.
- ゴムひも 1mくらい 髪どめのゴムひも,もしくは手芸用のゴムひもです.あとで適当な長さ2本に切ります.
- 針金ハンガー 2本 家に余っている針金ハンガーがあれば,それでも構いません.
- 40cm程度の深さのゴミ箱 2つ 100円ショップには背の高いゴミ箱がないかもしれません.ない場合にはホームセンターで探してみて下さい.
- 絶縁型の銅線 2個 線が細くて重いものを選んで下さい.写真は357-918(0.2mm径,500g).RSコンポーネントで購入できます.
- ネオジム磁石 2〜4個 磁力の強いネオジム磁石を選んで下さい.形はどのようなものでも構いません.マグファインや二六製作所で購入できます.
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用意する道具
- ハンダゴテとハンダ
- ビニールテープ
- ペンチ(大きめがよいです)
- マイク入力端子のあるパソコン
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作り方
- 1.ピンプラグ(メス)を切り,銅線の端にハンダ付けします.
- コイルの内側から出ている銅線の端をピンプラグの中心の端子に,コイルの外側から出ている銅線の端をピンプラグの外側の端子に付けます.銅線は絶縁のための被覆がついているので,ハンダで被覆を溶かしてからハンダ付けするようにして下さい.
- 2.針金ハンガーの底辺の直線部分を切り取り,残った肩の部分をコイルの円周より少し小さいくらいに丸めます.
- 3.丸めたハンガーにコイルを通します.ハンガーの端をペンチでねじって,フックが回らないように固定します.
- 線を切ってしまわないように注意して下さい.
- 4.メスピンプラグをフックにテープ等で固定します.
- これで,振り子部分が完成です.地震計を2つ作る場合には,同じものをもう1つ作って下さい.
- 5.切り取ったハンガーの直線部分を写真の様に折り曲げます.
- この針金はコイルを吊るす時のガイドになりますので,針金が垂直に立つようにします.
- 6.下から2cmくらいの所に磁石をテープで付けます.
- 2つ地震計を作る場合には,磁石が同じ高さになるようにすると地震計の感度が同じになります.
- 7.ゴムひもを3〜4巻して,弾力はありつつもゴミ箱の高さより少し短くなるような長さの輪を作ります.
- ゴムひもにコイルの振り子を吊るした時に,ゴミ箱の高さよりも少し短くなるくらいにします.
- 8.ゴミ箱の中に磁石付きガイドを立てます.
- 9.ものさしにゴムひもを通して振り子を吊るして,磁石付きのガイドをコイルの中心に通します.
- 振り子が磁石にあたらないように,ゴムひもの長さを調節しましょう.
- 10.ピンプラグメスとピンプラグ(オス)- ステレオミニピンケーブルとをつなぎ,パソコンのマイク入力端子に繋ぎます.
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ゆれを見てみよう
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ゆれを見ることができるソフトを用意しました.Windows,Mac,その他,Javaが実行できればどのようなマシンでも動きます.
パソコンにJavaの実行環境がインストールされている必要がありますので,ない場合にはまず実行環境をJavaのサイトからダウンロードしてインストールして下さい(無料です).
- ゆれを見るソフトをダウンロードする → EQV2.jar EQV2.jarというファイルがダウンロードできますので,それをダブルクリックして起動して下さい.起動すると以下のような画面が表れます.ここで,地震計を繋いだマイク入力を選択してください.青線と赤線それぞれ選べます.もしわからない場合には,候補の中から順番に試してみたください.選択したら「start」を押します.
地震計を揺らすと波が表示されます.クリックで表示の停止,再開ができますので,揺れを観察してみて下さい.
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