わたしたちは,地震のゆれを理解して地震防災に繋げていけるような教材・コンテンツを開発しています.開発にあたっては,研究授業を通じて実際に子どもたちの反応や効果をみながら改良を進めています.ここでは,開発した教材の一例を紹介します.
また,教材の開発,研究授業にご協力頂ける先生や,防災教育をしてみたいけれどやり方に困っているという先生はぜひ一度お問い合わせ下さい.
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地震波とその伝わる速度および振幅(中学校3年生・理科2分野)
- 内容 「震度」と「マグニチュード」の違いを実体験を通じて学ぶことを目的として,地震計でのゆれの計測や感じ方の違いなどを中心に,実験や観察を通して学ぶ.
- 必要な道具
- 手作り地震計 (→「つくってみよう」のコーナーを参照)
- 本物の地震計(ある場合のみ)
- アンプ1台 屋外で授業をする場合に地震計の感度が悪いことがあるので,アンプを用意した方がよいでしょう.地震計からパソコンに直接繋ぐのではなく,地震計からアンプに繋ぎます.アンプからはミニプラグ-ミニプラグのケーブルでパソコンに繋ぎます.研究授業ではBEHRINGERのMicroAmp HA400を使用しました.HA400を使う場合には標準プラグ-ミニプラグ変換アダプタが2つ必要です.
- マイク入力端子のあるパソコン 人数が多い場合には複数台あった方がよいです.アンプがあれば地震計からの信号を分岐できますので,複数台で同時に同じ波を見ることができます.
- 長巻尺(30mくらい)
- 電卓(小班毎に1個)
- コーンなどの目印 数個
- 筆記具など 各自
- 学習指導案
- 配布プリント PDF
中学校3年生を対象とした理科2分野「防災」の単元を想定して構成した1時限分の授業案です.イベント「実践!地震防災教育」の中で実施した研究授業です(詳細はこちら).このHPで紹介している「手作り地震計」を使います.
学習内容 学習活動 指導上の留意点 時間 導入 ・地震計について
・地震波形の観察(講師自己紹介)
・地震計を観察する
・波形を観察する地震計のしくみを簡潔に説明する.2班に分けて,一方の班には地震計のしくみを実物を見ながら簡潔に描かせる.もう一方の班には地震計の感度など具体的な問いかけをしながら実際に地震計の波形を見せる. 10分 展開 ・距離による揺れの違い
・波の伝わる速度・距離がかわると揺れがかわることに気付く.
・距離に応じて振幅が小さくなることに気付く.
・2つの地震計間を伝わる波の時間差から波の速度を求める.波形を見ることができる程度の人数に班分けする.1班が波の振幅を読み取り,残りの班が波を作る.距離毎に観察する班を交代させて,最後にデータを共有させる.波の振幅と距離の関係をグラフに描かせてその特徴を説明する.距離時間がおしている場合は測定点の数を調整する. 30分 まとめ ・震度とマグニチュードの違い
・波の伝わる速度の比較・実験で得られた結果から,震度とマグニチュードとの違いを学校知から経験知へつながるようにまとめる.
・波の伝わる速度を身の回りの乗物の速さと比べてみる.どの程度離れていればどのくらい揺れるまでに時間がかかるかを具体的に問いかけて,緊急地震速報の理解につなげる. 10分
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